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Aug.29.2013

Daniel Lanois on Trixie Whitley

ダニエル・ラノワ インタヴュー

 

 

 

 

僕は最初、彼女のその声に惚れ込んだ

 

トリクシーのことは幼い頃から知ってたんだ。お父さんのクリス・ウィートリーと仲良かっ

たからね。でも、それから大人になるまで会うチャンスはなかったんだ。

 

2008年にバークリー音楽大学の特別講師として、実際のスタジオで実習を行なうことになっ

たときに、学校側に誰を呼ぼうか相談されたので、そこでトリクシーを呼ぼうってことになっ

て、ニューヨークからボストンまで来てもらったんだ。

 

そのときレコーディングしたのが、”I’d Rather Go Blind” で、そのときの映像が YouTube に

あがってるのでぜひ見てみてほしいね。素晴らしい出来だったんだ。

 

ブライアン(・ブレイド)がドラムを叩いてて、ぼくは、腕を振り回して指揮をしてるだけ

だけど(笑)。

 

彼女が10代の頃にドラマーとして、活動していたことは知っていて、よく彼女のお父さんが、

「トリクシーはいいドラマーだよ」って言ってたのを覚えてるよ。とはいえ、ぼくが彼女に

惚れ込んだ最初は、やはりその声だね。

 

彼女のデモを聴いて、その声にえも言われぬ特別な魔法があることに気づいたんだ。そこ

からBLACK DUBの構想が生まれたんだ。

 

 

 

 

 

トリクシーとの出会いは、神のお告げだった

 

彼女のギター演奏の素晴らしさに気づいたのは、その後のことだね。ドラマーだったおか

げか、タイミングが抜群にいいんだ。グルーヴがね。

 

BLACK DUBは自分にとって長年の夢だったんだ。最高のメンバーでバンドを結成すると

いうのがね。ブライアンのドラムには最高の敬意を払っているし、ダリル・ジョンスンは

ベーシストとしてのみならず、ヴォーカル、とくにファルセットで歌うときが素晴らしい

し、そこにトリクシーの才能が加われば、自分の長年の夢が実現するんじゃないかって思

えたんだ。魔法の方程式になるかな、と。

 

長いこと構想を温めていたんだけど、トリクシーと出会ったことで、いまがそのときだっ

て思えた。女性ヴォーカルを入れたいとか思っていたわけじゃないんだ。彼女と出会って、

これこそ神からのお告げだ、って思ったってことだよ(笑)。

 

BLACK DUBの活動はなかなか難しい問題があってね、しばらくは個々の活動に専念しよ

うってことになってしまったけれど、また一緒にやることもあるとは思うよ。

 

 

 

 

 

類い稀なるシンガー、トリクシー・ウィートリー

 

いまはトリクシーもソロ・アルバムを出して、新しいキャリアを踏み出したところだから、

それを存分に楽しんで欲しいと思ってるよ。BLACK DUBが、彼女の飛躍のための土台に

なれたことは嬉しいことだよ。

 

トリクシーは素晴らしい音楽家で、美しい魂をもった人間だよ。

シンガーとしても類い稀なる宝をもっている。ひとりでも多くの日本のリスナーに彼女の

音楽に触れてもらいたいね。

 

 

 

2013年8月2日

構成=若林恵

写真=三田村亮(ダニエル・ラノワ)、Hendrik De Rycker(トリクシー・ウィートリー)

協力=billboard tokyo、Yu Yoshioka

 

 

TRIXIE WHITLEY
– Fourth Corner  – JAPAN TOUR 2013

ダニエル・ラノワの新バンド、Black Dubの主役を張った
注目の女性シンガー、トリクシー・ウィートリー。初来日!

 

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