以前の投稿に書いたように、11歳からトリクシーは劇団やダンス・カンパニーに参加していま

した。14歳でアラン・プラテル主催の les ballets C de la B の一員となり、シディ・ラルビ・シェ

ルカウイ振付の『Rien de Rien（ぜんぜん…）』などに出演しています。

でも、15歳くらいでそういった生活に嫌気がさして、普通の10代の少女に戻ろうと、しばらく

活動を休止したそうです。でも、やはり彼女は根っからのアーティストなんですね。まもなく

アーティストとしての表現意欲が頭をもたげ、17歳でベルギーからニューヨークのブルックリ

ンに移住。独学のキーボードで自作曲を書き始め、音楽の道に進みます。それからの数年は多

くのミュージシャン志望の若者と同じで、ブルックリンやクイーンズでウェイトレスとして働

きながら、シンガー・ソングライターとしてのトリクシー・ウィートリーを成長させていった

のです。

text by Tadd Igarashi