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DADI

ダヂ

ダヂ

MPBポップ・サイドの生き証人

1952年、リオ生まれ。 本名はエドゥアルド・マガリャンイス・ヂ・カルヴァーリョ。

 

ギターとベースを独学でマスターし、1971年、バイーアからリオに来たモライス・モレイラ、ペペウ・ゴメスらの伝説のバンド、ノヴォス・バイアーノスにベーシストとして加入。名盤の誉れ高い『アカボウ・ショラーレ』(1972年)などで当時の演奏が聴ける。またこの頃、ジョアン・ジルベルトと知り合って大きな影響を受けた。ダヂは「ジョアンは、ロックが大好きだった僕たちにブラジルの素晴らしい音楽を教えてくれた。以来、今日まで、ロックとブラジリダーヂ(ブラジル気質)のミクスチャーが僕の音楽の特徴になっている」と語っている。

 

ノヴォス・バイアーノスを抜けた1975年、ジョルジュ・ベン(現在名はジョルジュ・ベンジョール)のバンドに加入して欧米などの海外ツアーも経験。『アフリカ・ブラジル』『トロピカル』『ア・バンダ・ド・ゼー・プレチーニョ』など、ジョルジ・ベンの黄金時代を飾る名盤に参加した。1977年、弟のキーボード奏者ムー・カルヴァーリョ、バイーア出身のバンドリン奏者/ギタリスト、アルマンヂーニョらとロック・テイストのMPBバンド、ア・コル・ド・ソンを結成。80年代にかけて数々のヒットを放ち人気を確立、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルにも出演した。また1977年には旧友のカエターノ・ヴェローゾが、ダヂに捧げた名曲「レオンジーニョ」を録音した。

 

ア・コル・ド・ソン解散後の1990年から2年間、ロック・バンドのバラォン・ヴェルメーリョに参加。1992年からカエターノ・ヴェローゾの『シルクラドー』ツアー・バンドに参加。ライヴ盤『シルクラドー・ヴィーヴォ』にダヂのベースだけをバックに歌う「レオンジーニョ」が収録された。1993年、ヴィニシウス・カントゥアリアらと組んでロック色の濃いオースター・バンド、チグリス・ヂ・ベンガーラを結成したが、アルバム1枚で解散。

 

1995年、マリーザ・モンチのツアー・バンドに迎えられ、『グレート・ノイズ』から現在まで、マリーザの全アルバムとコンサートに参加。実質的なバンド・リーダーをつとめ、ベースやギターなど多彩な楽器を演奏し、曲の共作も行なっている。マリーザ・モンチの最新作『あなたが本当に知りたいこと』(2012年)では共同プロデューサーもつとめた。

 

2005年、初のリーダー・アルバム『ダヂ』を発表(日本先行発売)。2007年、マリーザ・モンチのツアーで来日した際、東京でキャリア史上初となるリーダー名義のライヴを行なった。以来、ソロ活動も開始し、2008年にセカンド・アルバム『ベン・アキ』、2009年にライヴ盤『ダヂ・ライヴ・アット東京』、2010年にイタリアの音楽家とのユニットで『インヴェンタリオ』を発表。2012年、このユニットにイヴァン・リンス、シコ・ブアルキ、ヴィニシウス・カントゥアリアらのゲストを迎えたイヴァン・リンスの作品集『インヴェンタリオ・インコントラ・イヴァン・リンス』をイタリアでリリースした。

 

70年代から今日まで、MPBとブラジリアン・ポップ・ロックのキーマンとして第一線で活躍を続けている “MPBポップ・サイドの生き証人”、ダヂ。その豊かな音楽性と暖かな人間性を通じて、世代を越えてあらゆる音楽家たちから愛され、慕われている。

 

長男のダニエル・カルヴァーリョはレコーディング・エンジニア/プロデューサー(アドリアーナ・カルカニョットの『サンバの微生物』他)。次男のアンドレ・カルヴァーリョはシンガー/ソングライター。

 

text by Jin Nakahara

 

 

www.dadi.com.br

www.myspace.com.br/dadicarvalho

 

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